因果応報ほうほうへえへぇ物語
蛇が死んでいた。
食料を買いに車を走らせ、玉ねぎと納豆と鶏肉と牛乳を買った。
今日は何を作ろうかと考えながらハンドルを握っていて、
気付くのが遅く、あ、蛇だ、と思った時には、
ブレーキをかけて停止すると、
キッチンの床に落ちた米粒を足の裏で探るように、
噛まれて「痛い」というだけのことなら殺す必要はないが、
果たしてその蛇がハブだったかどうかは定かではないが、
ウロボロスというのは、
どうしてそういう風に思ったのかというと、
私は今、同じ一日を繰り返している。
「そういう話でも書いてるの?」
柏木はそう笑った。少し嘲笑に近い。
柏木とこの話をして、この会話の流れになるのも実は十二回目だ、
「蛇を轢いた日から、体だけが翌日に持ち越せなくなったんだ」
私はなるべく簡潔にその現象を説明した。おとぎ話じゃない、
「よくわからんよ」
それはそうだ。柏木が理解しようとしないのも無理はない。
「そう、よくわからんのよ。だけど本当のことなのよ」
私は如何に困っているかを説明しようと、
「あの日の晩、俺は胸毛を剃ったんだ。みっともないからな。
「うーん」柏木は一唸りして、閃いたように言った。「それは、
「なに?」
「いや、やっぱりわからん。
「わからん」
「そうなんだよ。だけどお前は違う。例えば今、
「そうだな。折れた骨は何事もなくなってて、
気味の悪い話だ。足を折る痛みを想像して、
「再現性はあるのか? 何か試したのか?」
「もちろん。カミソリで切っても、翌日には何も」
「マジかよ。ほんとならそれ、MUTEKIじゃん」
そう、無敵だ。良く考えれば、
「ちょっと食ってみないか?」
柏木はそう提案して、実行し、死んでしまった。
私の肉をたらふく食らい、
以来、私は蛇ハンターとして生計を立てている。
あれ?これもしかして面白いんじゃないですか?ダメですか?
本当においしい沖縄のタピオカドリンク店ベスト3の紹介(ではない)
「タピオカァ! タピオカジュースゥ!」
憎たらしい口調でユウタが言った。ここ数日ずっとこうだ。
「うるせぇ!」私は屋台から出て、拳を振り上げた。「
もちろん本気ではない。
ユウタもそれを知ってか、
ユウタと私は何の関係もない。友人の子供でもないし、
一体どういう経緯でタピオカ扱いされるようになったのかは、
彼がそう言うようになったのは、十日近く前のことだ。
その日、ユウタは友人グループから離れ、一人で歩いていた。
「うるさい!」控えめに叫んでから、小さく付け足した。「……
ユウタがこうやって感情をむき出しにするのは初めて見たし、
その翌日も声を掛けた。返事はやっぱりタピオカで、
さらに翌日も、翌々日も、私たちの短いやり取りは続いた。
いつまで続くのだろう。そう考えたこともなかったが、
小雨が降る中、ユウタは傘も差さずにトボトボと歩いていた。
「どうしたぁ? 風邪ひくぞぉ」
声を掛けると、ユウタは力なくこちらを向いた。
「タピオカァ……」
ぎょっとする。ユウタは目を真っ赤に腫らしていた。目が合うと、
私は屋台を飛び出して、ユウタの背中をさすった。
どうやら数日前から友人と仲たがいしていて、とうとう今日、
「まぁ、男は喧嘩して仲良くなるもんさ」
「バカって言われたら、嫌だろ」
ユウタは眉を寄せた。
「どういうことだ?」
「友達にバカって言われて、むかついたんだ」
話を変えたつもりが、どうやら繋がっていたらしい。
「だから俺もおっちゃんにバカって言おうとしたけど、
「ユウタ……」
なんていいヤツなんだ。
「サービスだぞ。ほれ、一本食え」鼻をすすりながら、
「いい」
「遠慮すんなって」
「いいよ。いいって」
素直になれないこの少年も、すぐに大人になってしまうのだろう。
「焼き鳥、嫌いか?」
「まずいんだよ。ここの焼き鳥」
「タピオカ……」
私は呟いた。お前でタピオカを作ってやろうか、という意味だ。
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今回は、お友達からお題を頂いて作りました。「タピオカ」でした。
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