顔の見えない相手から金を受け取るのさ
我が家の部屋の隅でホコリを被っているあれもこれも、
革靴が一万円で売れたり、
「購入希望です! 3,000円にお値下げ可能でしょうか? 即決で購入したいです!」
名前はノジマ(仮名)。
「『即決』という言葉の意味をご存知でしょうか? 値下げ交渉をした時点でそれは即決とは呼べないのではないでしょ
と送りたい気持ちをぐっとこらえて、「申し訳ありません。」
売上が千円下がるだけ。そう考えると大したことはないけれど、
しかし、これはあくまで個人間の売買だ。顔も見えないから、
「申し訳ありません。」は、それらをすべて含んだ拒絶だった。
大抵、値下げ交渉に応じない場合は売れない。
ノジマからの返事は、三分と経たずに返ってきた。
「じゃあ、このまま購入します。」
買うんかい。あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまう。
失礼な奴だと思っていたけれど、こうなると途端にかわいくなる。
私は予定通り、少額の値下げをしてあげることにした。
「せっかくお問い合わせいただいたので、3,
これでWIN―WINだ。きっとノジマも泣いて喜ぶだろう。
次のターン。ノジマはノジマらしさを見せつけた。
「もう少しお値下げしてほしいです。。」
こいつ……。どこまで行ってもノジマだ。
私は「ぶん殴ってやろうか」と送りかけて、「
結局、私はそれらの意味を込めて「ごめんなさい。」と返事を送った。
そして、約束通り価格を下げた。
それから五分後。無事に商品は売れた。ユウスケに。
ユウスケぇ。
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