【旅行編】与論島へGO その4
四日目。
突然の覚醒。ハッと目が覚め時計を確認すると、時刻は朝の七時。寝坊です。
そもそも、あれだけ酒を飲んで一時間後に起きられるわけがありません。例え起きられたとしても、寝不足が祟って後々体調を崩したり、怪我をするような事もありえたので起きられなくて正解だったと思います。
外に出て、歩いて近くの漁港へ向かうと、ここでもカスミアジの姿が見えました。しかも、小魚を捕食している様子。
あぁ、こりゃ魚が呼んでるわ。
急いで宿へ戻り、釣竿を準備します。ついでに寝ている三人の足をノックし、漁港で待ってるね、と声を掛けました。起こす約束をしていた(ような気がする)ので約束通りです。
最低限の荷物だけを持って漁港に行き、竿を振るも、時既に遅し。もう彼らは姿を隠してしまったのでした。
惰性で竿を振っていると、Cちゃんがやってきました。釣り教室の始まりです。
竿の持ち方、リールの扱い方、ルアーの飛ばし方を適当に教えます。こんな朝早くから本気で釣り指導をするほど、私の気は狂ってはいません。
ほんの数投、数にして五、六回程度投げた頃に、突然水面が爆発しました。
竿が「へ」の字になり、リールがぎゃんぎゃんと鳴き、すごい勢いで糸が出ていきます。
こりゃ大物だ。昨日釣った魚より大きいかもしれない。
とんでもないビギナーズラックです。
「どうしたらいい!? どうしたらいい!?」
Cちゃんはどうしたらいい教に入信してしまいました。詐我県の中心部に拠点を置く、弱者の心に付け込んで金を巻き上げているという噂の新興宗教です。
そのまま待ってればそのうち止まるから、とアドバイスをしましたが、魚は抵抗の手を緩めず、結局そのまま針が外れてしまいました。
校内教習を一度受けただけの生徒に、いきなり高速道路を走らせるようなものです。
本来なら一度竿を受け取り、安全圏内まで誘導してから、やり取りを楽しんで釣り上げてもらうべきでした。私はそこでやっと自分の至らなさに気が付きました。堤防にそっと竿を置いて、ステージを去った方がよかったのかもしれません。
まあ、ともあれ少しでも楽しみを味わってもらえたので良しとしましょう。
その後、AさんとBさんも漁港に姿を見せました。彼らはバイクで来ていて、これから最後の観光に行くとのこと。近くに綺麗なビーチがあるということだったので、私たち二人はそこまで軽く散歩をしました。それはもちろん綺麗で、足元を軽く浸かりながら波打ち際を歩きました。
三泊お世話になった宿も、今日でチェックアウトです。
私は島の反対側にある民宿にもう一泊。
Aさん、Bさん、Cちゃんは飛行機とフェリーでそれぞれ帰宅だそうです。
たった一日仲良くしてもらっただけでしたが、やはりお別れというのは少し寂しく感じました。
チェックアウトをして、ドライブがてら原付を走らせ、Aさんに連絡をすると、近くで食事をとっているとのこと。三人で昼食を食べて別れ、私は民宿へ向かいます。
みなさん、お世話になりました。
あちこち写真を撮りながら民宿へ。
民宿は古くて、だけど広くて、ゆったりできるところでした。値段も三千円と、とても安いので文句ありません。
観光客の大多数がこの日に帰る予定だったようで、民宿で他のお客さんと出くわすことはありませんでした。
軽く昼寝をして、軽く釣りをして、日記を書いて、軽く星を見て、カップラーメンを食べて就寝。
のんびりと過ごした一日でした。
最終日へ続く。
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