あんまりはぁはぁ言わせんでよ
病院というものは
定期的に通っている歯科に予約の電話を入れると、
私の住む片田舎でも、
「じゃあ、その日でお願いします」
電話口の女性に予約を取り付けてから、電話を切った。
いくつかのクリニックに電話を掛け、断られ、
「はい、明日の午後で。本当に大丈夫ですか??」
私は何度も確認した。
それには訳がある。
「はい。明日、9月5日木曜日ですね」
嬢は確かな声で答える。
そうして私はようやく歯科探しを終えた。
翌日、予約時間に合わせて車を走らせ、歯科に向かった。
小さな未舗装の駐車場に車を止め、入り口に回る。今時珍しい、
開かない。
「まじで意味が分からん」
県道を背にして、不満に満ち満ちた声で呟いた。
磨りガラスに印字された診療スケジュールが目に入る。
やっていないんじゃないかと思ったらやっていると言われ、
もちろん、
とてもむかっ腹が立ったのだけれど、
結局、翌日になってまた別の歯科に予約を取ることができた。
そこがまた、おもしろい歯医者だった。
予約より少し早い時間に受付を済ませたけれど、
ようやく名前を呼ばれ、治療台に座ると、衛生士のおばちゃんは「
そこからさらに三十分待った。
「まじで意味が分からん」
私の呟きはドリルの音にかき消される。
とうとう我慢できなくなって、
「あの、いつまで待てばいいんでしょうか」
すると、彼女は少し焦った声で言う。
「あ、今日はどうされました?」
ど、ど、どうされました?
どうされましたか?
どどどどど、ど?
私は発狂した。
どうどうどうどう?どうされました? どうされました?
そして、ようやく私の歯を見たおじいさん医師は言った。
「銀歯が多いなぁ」
はぁ!?
はははははははははは歯ぁ!!!???
どうされました?
どうされました?
銀歯がはぁはぁ銀歯がどうされましたはぁ?????
私は憤死してしまった。
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