スウィーテスト多忙な日々

スウィーテスト多忙な日々

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あんまりはぁはぁ言わせんでよ

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病院というものはどうしてこうも予約が取れないものなんだろう。

定期的に通っている歯科に予約の電話を入れると、三週間先の受診を提案された。
私の住む片田舎でも、近隣数キロの内に数件の歯科クリニックがある。それなのにこんなに予約が埋まっているなんてどういうことなんだろう。とは思ったものの、考えてみると一人の患者に三十分程度はかかるだろうし、それもしょうがない事なのかもしれない。
「じゃあ、その日でお願いします」
電話口の女性に予約を取り付けてから、電話を切った。それからスマートフォンを操作し、車で三十分圏内の歯科を探して片っ端から電話をかけた。勝手だけれど、明日明後日にも受診したかったのだ。

いくつかのクリニックに電話を掛け、断られ、ついに一つの予約を勝ち取った。
「はい、明日の午後で。本当に大丈夫ですか??」
私は何度も確認した。
それには訳がある。木曜の午後に診療を行っている歯科は非常に少なく、受付嬢が何か間違って予約を受けているのではないかと思ったのだ
「はい。明日、9月5日木曜日ですね」
嬢は確かな声で答える。
そうして私はようやく歯科探しを終えた。

翌日、予約時間に合わせて車を走らせ、歯科に向かった。初めて伺うので場所がいまいちわからず、ナビに従う。二十分足らずで目当ての看板を見つけた。少し寂れた建物だった。
小さな未舗装の駐車場に車を止め、入り口に回る。今時珍しい、手動の引き戸に手を掛けた。
開かない。

「まじで意味が分からん」
県道を背にして、不満に満ち満ちた声で呟いた。
磨りガラスに印字された診療スケジュールが目に入る。木曜午後の枠には休診の二文字が収まっていて、ガラスの向こうは当然のごとく電気が消えている。
やっていないんじゃないかと思ったらやっていると言われ、行ってみるとやはりやっていなかった。まじで意味が分からん。
もちろん、どこか別のクリニックと勘違いしているというわけでもなかった。

とてもむかっ腹が立ったのだけれど、クレームを入れたところでさらに腹が立つのがわかっていたので、そんなことはやめておくことにした。
結局、翌日になってまた別の歯科に予約を取ることができた。
そこがまた、おもしろい歯医者だった。

予約より少し早い時間に受付を済ませたけれど、治療台に案内されるまでそこから二十分待った。ただ、まぁ、混んでいればそんなこともあるだろう。
ようやく名前を呼ばれ、治療台に座ると、衛生士のおばちゃんは「うがいをして待っていて下さい」と言い残して去っていった。
そこからさらに三十分待った。座り心地のいいリクライニングチェアで仮眠を取りに来たわけじゃないのに。
「まじで意味が分からん」
私の呟きはドリルの音にかき消される。
とうとう我慢できなくなって、先ほどから何やらパラパラと資料をめくっている衛生士のおばちゃんに声を掛けた。

「あの、いつまで待てばいいんでしょうか」
すると、彼女は少し焦った声で言う。
「あ、今日はどうされました?」

ど、ど、どうされました?
どうされましたか?
どどどどど、ど?
私は発狂した。
どうどうどうどう?どうされました? どうされました?

そして、ようやく私の歯を見たおじいさん医師は言った。
「銀歯が多いなぁ」


はぁ!?
はははははははははは歯ぁ!!!???
どうされました?
どうされました?
銀歯がはぁはぁ銀歯がどうされましたはぁ?????

私は憤死してしまった。

 

 

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