スウィーテスト多忙な日々

相変わらずあなたの役に立つことは書かれていません……

ほら、ペイってしなさい!

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LINE Payがお金を配っている。
千円分のLINEポイントを"無料で"友達に送ることが出来る、というキャンペーンだ。
以前あった、"購入額の20%ポイントバック"キャンペーンとは違って、何も買わずにポイントが得られる貧乏人歓喜のキャンペーンらしい


私は喜び勇んで十人に千ポイントを送った。これが間違いだった。
このキャンペーンは自分がそのままポイントを貰えるわけではなく、送った友達がポイントを得る。システム上何人にでも送れるということで、たくさん送ればその分たくさん返ってくると思い込んだのだ。
しかし現実は違う。勘違いだ。貰えるのは一人からの千ポイントのみらしい。
別にそれはいいとして、私はキャンペーンの内容を知らない彼らに説明を求められることになってしまった。これが面倒だった。


すぐに数人から返事が来た。
「何これ、怪しいやつ?」
それはそうだ。いきなり友達が千円をくれるなんて意味不明。「こいつ、怪しいことしてやがる」だとか、「アカウント乗っ取りか?」と疑われて当然だ。ひどく手間をかけて、丁寧に内容を伝えた。


「なんか困ってんの?」
 岡辺から連絡があったのは、深夜3時過ぎ。恐らく深夜シフトだったのだろう。
 私は翌朝返事を返した。
「モウマンタイだピュー」
 昨晩散々説明を求められて、改めて教えるのが面倒だったのだ。


 これがまずかった。
 三分もしないうちに、電話がかかってきた。岡辺だ。
「ふざけんなよ! 説明しろ!」
 開口一番、岡辺は怒鳴りつけた。スピーカーだけではなく、二十キロ以上離れている彼のアパートからもその声が直に飛んできた。彼は物理的にデカい口なのでたまにそうなる。
「ご、ごごごごめんピュ」
「それやめろ!」
「無茶言うなピュ!」


 実は数日前、お手軽黒魔術に手を出した私は、ダエーワとかいう悪魔によって呪いをかけられていた。しかしこの歳にもなって呪われたなんて、おいそれと明かせない。恥だ。
「そ、そうだ。あれは怪しいキャンペーンじゃないピュ。なんならネットで調べてみるといいピュ」
「ちょっと待ってろ」
 そう言うと、スピーカーからガサゴソと音が聞こえた。怒り声だが、どうやら言われた通り調べているらしい。
 ほんの数分で、岡辺の声が戻ってきた。


「あ、ありがとな」
「どういたしピュましてピュピュ」
 まずい。呪力が上がっている。
 私は話のついでに、という体をよそおって、悪魔の召喚手順をレクチャーした。もちろんダエーワが出てくるなんてことは隠したまま。彼には申し訳ないが、身代わりを立てるしか手はない。
 千ポイントが効いたのか、岡辺は素直に従った。声が再び離れて、一分も経たないうちに絶叫が響く。


「どえやー!」
 不憫だ。
 悪魔が現れた時に初めて発した声が、その者を徐々に犯していくのだ。
 私は電話を切り、ノートに「岡辺 どえや」とメモした。


五メートルはある竹の頂上に、ツルを伸ばして朝顔が咲いている。
綺麗だなぁ。

 

 

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満喫ゾンビ 後編

前回のお話

tthatener.hatenablog.com

 

 

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「来ますかね?」
 私はムツゴロウさんに尋ねる。
 ムツゴロウさんはこちらに目を向けず、口元に人差し指をあてて私を制した。スゥっと目が鋭くなる。


 モグモグ、モグ、クチャッ、モグモグ。
「あぁっ」


 モグモグ、クチャッ、モグモグモグ。
 クチャクチャクチャ。
 モグモグ、クチャクチャクチャクチャ、ペチャペチャ。


「出た」
「来ましたよぉっ」
 ムツゴロウさんは興奮しているのか、身震いした。
「いいですねぇ~。彼らはこうして、食事の味を楽しむわけですねぇ」
 男がちらりとこちらに目をやって、少し嫌な顔をする。


 クチャクチャ、モグモグ、クチャ、モグ。
「こちらに気がついても、音は止まないでしょう? 彼らは自分が音を立てていることに気が付いていないんですねぇ」
 クチャ。ムツゴロウさんの声が聞こえたのか、男は口を止めた。


「ほら、今気が付いた。可愛いですねぇ」
 ムツゴロウさんはおもむろに立ち上がり、ツヤツヤした男の髪に頬ずりする。
 男の耳が赤く染まった。
「ほぉらほら、可愛いねぇ。もっとお食べ」
 ムツゴロウさんは箸を取り上げ、チキンを男の口に運ぶ。


 男はまた恥ずかしそうに口を動かす。モグモグ、クチャ、モグモグ。
 そうしてひとしきり食事を終えると、今度はカス取りの時間だ。
 チュッチュッチュッ。
 男は歯間に詰まった食べカスを取るべく、キレのある音を響かせる。
「上手に鳴きますねぇ。ネズミですよぉ」
 ムツゴロウさんが褒める。
 男は顔を赤らめる。まんざらでもない様子だ。


 チュッチュッ。
 シーン。
 チュッ!


「可愛いですねぇ~!」
 たまらない様子で男に飛びつき、胸に顔をうずめたムツゴロウさんは、そのままワシャワシャと体中を撫でまわす。
 私もなんだか幸せな気分になる。かわいいなぁ、コイツ。


「ウチで飼っても……いいかな?」
 問いかけに、男は嬉しそうに目を輝かせた。
「きっともっと好きになりますよぉ」
 ムツゴロウさんも嬉しそうだ。
 家に連れて帰り、エナメルのベルトで叩くと、とてもいい声で鳴いた。
 やったぜ。

 

 

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