スウィーテスト多忙な日々

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2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【旅行編】与論島へGO

夏です。海です。与論島です。七月の頭に予定を立てていたものの、季節の変わり目の悪天候の影響で七月中旬に変更になり、さらに台風の影響で延期。学生がもう夏休みに入ったであろう七月三十一日、ようやく渡島することができました。 移動手段はフェリー。…

三百年も生きてりゃそりゃあ体も悲鳴をあげまさぁ

「あ、あぁあ、あぁ〜」 力無い悲鳴は、獲物を求めて彷徨う蚊の羽音にかき消されるほど弱々しく地面を這う。 肩の調子が悪い。それは今に始まったことではなくて、思い返せば幼年期、高校時代まで遡ることになる。私はバレーボール部に所属していた。物心つ…

私が何気なく立てた人差し指を、どこかの民族は侮辱と捉えるかもしれない。だから私は人差し指を仕舞い、中指を立てるのだ

フードコートのテーブル。健介と私たちは向かい合って腰掛けている。 健介の眉間には、円周率を表すギリシア文字のようなシワが寄っている。パイだ。「なにしてたんだよ」 健介は険しい顔で言う。非難を含んだ口調だ。「買い物だよ」「二人ともヒマしてたか…

にしきのあきらの衣装じゃないんだから

脇がかゆい。 と言うと勘違いされてしまうかもしれないが、決して不潔なわけではない。むしろその逆だ。清潔感を得るため、わき毛を切ったのだ。私は脇を閉じていても噴きこぼれるぐらいわき毛が茂っていて、良く言えばアスファルトの隙間に根付くたんぽぽ、…

夜の温泉に全裸で入浴する、爆乳で性格もスタイルもいいサル

お茶の水太郎の日記 7がつ25にち もくようび おじさんとマレーシァというところにきました。くあらるんプールというところにいて、ペトロナスツインタワーという大きなスカイツリーが二つくっついたたてものに上りました。高かったです。 どうしてマレー…

君のママに出会った……僕のようにねぇ!!

気になることはまだまだある。随分と前になるけれど、SMAPという団体が声を揃えて「失ったものはみんなみんな埋めてあげる」と言っていた。五人が五人、少し苦い顔をしていた。産道を抜けてまだ数千日の赤ん坊だった私は大いに恐怖したのを覚えている。 …

ちち、悩む

「俺は何のために生きているんだ」 中山は嘆いていた。「何のために生きていると思ってたの?」 私は尋ねる。この手の疑問は誰にでも浮かぶもので、当然私自身も考えたことがある。「そんなの考えたことなかった。今まで」「じゃあなんで考えるようになった…

世にも可愛い空気が奇妙で柔らか

淡くて半透明な緑色の空気が、風船のように庭を漂っている。彼女の名前はアイリちゃん。 台風が過ぎ、風が弱まった日、私は潮でベトベトになった車の洗車をしていた。 流水で大まかな汚れを洗い流し、泡立てたスポンジで撫でる。それから丁寧にワックスを塗…

小松さんは伏し目

「蚊はね、少しだけワープができるよ」 赤らんだ顔の小松さんは、宙に視線を漂わせる。 私は小松さんの視線を追って、赤茶色のペンキが塗られたバーの一角に顔を向けた。蚊が一匹飛んでいて、暖色の電球の下で消えたり現れたりしている。「ああ、見失うとき…

安楽死だってさ

今週末に、参議院選挙がある。どこに入れても悪い事が起きそうな気がするので、選挙というのはとても難しい。まっとうな政党に投票したいけど、まっとうな政治を謳っている政党がまっとうである保証もない。だれもかれも悪人に見えてしまうけれど、その中で…

すぐわかる創作故事成語

「信者信しんじゃ しんを忘るべからず」 信じる者は信じることを忘れてはならない。 あるところに、ポー太という男がいた。 ポー太は常に幸せになる方法を考えていた。 何千何万もの問答を繰り返して、ポー太はついに真理に辿り着く。 信じること。「ただ信…

しょっかくを使う

触覚の本を読んでいると、面白い実験が紹介されていた。 向き合った二人が、目を閉じて握手をする。そして、「相手の手を自分が握っている」と思うタイミングで、空いている手を上げる。この時、意図的に握る強さを変えてはいけない。この実験で何が起きるか…

supernaturalにヤモって

二分前まで、ヤモリを見ていた。 小さなヤモリだ。今はもう見ていない。カーテンの陰からひょっこりと現れたヤモリは、ぴこぴこ歩いてテレビの裏に消えていった。今も彼はテレビの裏にいるのかもしれないし、私の眼中を逃れた瞬間に消滅してしまったのかもし…

バッグ・バーガー・バーゲスト

ハンバーガーが食べたい。肉が二枚で、真っ黄色のチーズが挟まったチーズバーガー。一口噛むごとに、ジャンクジャンクと音が鳴りそうな濃い味のバーガーを。バーガーショップの前を通ったわけでも、テレビで特集をしていたわけでもない。あいつのアイコンの…

街をさる

七月十一日、未明。街で何かを見ました。彼は私の目の前でタクシーを降り、その場にしゃがみ込みました。こんな時間に何をしているんだこの老人は、と私は眉をひそめます。降車する様さまは、少し不健康な老人といった様子でした。もしかして体調が悪いのか…

夏のショーケース

あれはペンギンだったのか、恐竜だったのか。 あつのなつい日、私は外を歩いていた。半袖に短パンで、手にはソーダのアイス。中にはバニラが入っている。 その日は少しおかしな日で、道路にまで砂が押し寄せていた。海に囲まれた小さな島は、浸食した砂のお…

社交ダンスじゃないんだよ

死体が送られてきた。送り主は兄。彼は東京に住んでいて、借家の車庫に突起をつけてボルタレンみたいな名前のトレーニングをするのが趣味の変な常識人だ。兄は、定期的に荷物を送ってくる。洋梨が一番多くて、あとは使っていないゴルフクラブだったり、使わ…

急がなかったせいで急ぐ

今日は、時速0kmで思考していた。その影響か、あと一時間足らずで日付が変わってしまうので、急いでブログを書いている。急いで書く記事としてふさわしい内容といえば、やはり「急ぐこと」そのものについてだろう。日常生活において、自分自身の会話や行…

知っててよかった七夕の

七月七日。七夕です。偉い神様であるお父さんに怒られて隔離された織姫と彦星が、年に一度だけ会える特別な日です。学校や商業施設、家庭でも、おめでたい記念日にあやかって願い事を短冊に認(したた)めますね。恋、勉強、仕事…短冊を見ていると微笑ましく…

う、ウチの、ウチの猫知りませんかぁ?

猫は可愛い。昔は犬を飼っていた。シェットランドシープドックみたいな犬、ラッシーが一匹目で、ダックスフンドのチャチャが二匹目、ミニチュアダックスのココアが三匹目だった。どの犬も人懐っこくて、いつもバカみたいに笑っていて、人間の姿を確認すると…

池へGO

我が村には、大きな池がある。数字にしてみると大した大きさではないかもしれないけれど、小さな村に比べると大きな池だ。ネムリ池と呼ばれている。 池と沼の違いはなんだろう。それが水質だとか濁り具合で分けられるのなら、ネムリ池は池の日もあれば、沼の…

そのたった数センチで

友人に会った。彼女とは学生時代に同じ学科だったのだけれど、当時の私は――あるいは彼女も――こうして休日に頻繁に会う仲になるとは思わなかった。グループが違ったので学生の頃はほとんど話をしたことがなくて、「同年代には興味ないわ」という少しクールな…

三角屋根は魔女の家

夢の話をしたからか、夢を見た。舞台は、私の実家のある部落だった。自動販売機も商店もない、商業から見放されたような眠った部落。人が少なくて、昼よりも、夜の方が騒がしい。生き物や自然が生む、気分が落ち着く騒がしさだ。そこで、私は恩師の後をつけ…

あなたの隣に誰かいる

よく死ななかったよなぁ、と思うことがたまにある。海水浴中に「離岸流」という沖へ向かう潮に流されたり、海から上がったら隣の友人の腕に海蛇が絡みついていたり、居眠り運転をしてしまって中央分離帯に突っ込みかけたり、車に轢かれたり。 脳内のパニック…

合わせもの離れもの

「メッシュキャップの上からベロベロ舐められる」 さて、これが何の意味だか分かるだろうか。ものすごく気味の悪い一文で、なかなかイメージのしようがない。「舐められる」というのが(誰かに)舐められるという被害者側の立場なのか、舐めることができる、…