今年は今年だけ。夏も夏だけ
悲しい。ただひたすらに悲しい。
それはしばらく忘れていた感情で、私は少し動揺してしまった。
何かにものすごく腹が立つことはあっても、
例えばうつ病だとか、
最近、KANA-
私が悲しく思ったのはそれが原因なわけではないけれど、
そう言うと、岡本が「いや、お前はまともじゃないからな」
岡本は、避妊具で有名なかの会社の子息で、
目玉焼きには醤油だし、お尻はトイレ紙で拭くし、
「お前、あのオカモトなんだってな」
「ま、まともじゃないってなんだよ」
突然のことに、私は戸惑ってしまった。まともじゃないだって? 何を言うんだ。
とは言うものの、実は、
「そうだよ。俺はまともじゃないんだ」と口に出してしまえば、
「じゃあ、まともってなんだよ! お前はまともなのかよ!」
「俺はまともだよ」
「やめて! 言わないで!」
効く。効いちゃう。岡本はまともだ。強がってみたけれど、
「まともじゃなきゃ悪いのかよ! いや、違う! まともだよ!」
私は、口論になるとすぐに泣いてしまう。
「わかってるだろ。まともじゃないんだよお前」
「なんだよ! なんでそんなこと言うんだよ!」
同じ学校に通い、同じコミュニティに所属していたのに、
「まともじゃない! まともじゃないことを認めろよ! まともじゃなくていいだろ!」
岡本は私を諭すように、両手を広げて叫んだ。
「え?」
「お前は、お前じゃないか――」
ハッとした。私は、
そして、二人は見つめ合い、キスをした。
そう、キスをしたのだ。優しいキスだった。
岡本のことを男だと思っていた方は驚いたかもしれない。岡本は、
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顔の見えない相手から金を受け取るのさ
我が家の部屋の隅でホコリを被っているあれもこれも、
革靴が一万円で売れたり、
「購入希望です! 3,000円にお値下げ可能でしょうか? 即決で購入したいです!」
名前はノジマ(仮名)。
「『即決』という言葉の意味をご存知でしょうか? 値下げ交渉をした時点でそれは即決とは呼べないのではないでしょ
と送りたい気持ちをぐっとこらえて、「申し訳ありません。」
売上が千円下がるだけ。そう考えると大したことはないけれど、
しかし、これはあくまで個人間の売買だ。顔も見えないから、
「申し訳ありません。」は、それらをすべて含んだ拒絶だった。
大抵、値下げ交渉に応じない場合は売れない。
ノジマからの返事は、三分と経たずに返ってきた。
「じゃあ、このまま購入します。」
買うんかい。あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまう。
失礼な奴だと思っていたけれど、こうなると途端にかわいくなる。
私は予定通り、少額の値下げをしてあげることにした。
「せっかくお問い合わせいただいたので、3,
これでWIN―WINだ。きっとノジマも泣いて喜ぶだろう。
次のターン。ノジマはノジマらしさを見せつけた。
「もう少しお値下げしてほしいです。。」
こいつ……。どこまで行ってもノジマだ。
私は「ぶん殴ってやろうか」と送りかけて、「
結局、私はそれらの意味を込めて「ごめんなさい。」と返事を送った。
そして、約束通り価格を下げた。
それから五分後。無事に商品は売れた。ユウスケに。
ユウスケぇ。
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