ギャンブルで勝つ
じゃんけんトーナメントで一位になる人がいる。
トーナメント戦の試合数は、 参加人数から一を引けば求められるらしい。
つまり、百人でやれば九十九試合。 一人が対戦する回数は六回戦か七回戦になる。
誰かがその中で一位になる。
ちょっとそれは信じがたいことだけど、 確かに一度も負けない誰かが出てくるのだ。
中国の運々省に住むある男が、一つの名案を思いついた。
「最強の運貯まり人間を生み出そう」と。
男は百人の貧乏人を集め、じゃんけんトーナメントを行った。
全試合が終わると、優勝者を省いてもう一度トーナメントを行う。 それを繰り返して、彼らは九十九回のトーナメントを終えた。
男は、全ての試合で負けたヤン・チンヨウにスーツを新調し、 共にラスベガスへと飛んだ。
目的のカジノがある「ベラージオ」というホテルで、 ヤンはある金持ちとルーレットで違法な賭けをした。
金持ちは五十万ドルを赤へ、ヤンは百人そのものを黒へ賭ける。
ディーラーはルーレットを回し、逆方向に球をはじいた。
シュインシュインと球は気持ちよく回り、やがて力を失い、 ポケットに落ちる。
コトリ。
ヤンは犬のように跳ねまわった。
「やった! やったぞ! また負けた!」
球は、赤のポケットに落ちたのだ。
そうして、運々省は滅びた。
じゃんけんで運を貯めても、 ルーレットの役には立たないのかもしれない。
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