台北に行ってきました。
5/15、つまり昨日。
私、現・中川美希は台北へ向かった。
航空券はいいとして、パスポートの写真と私の顔は、あまりにもかけ離れている。中川美希は女で、私は男だから、当然だ。猿でも間違えないんじゃないだろうか。
そもそも、私は顎髭さえ生やしたままだ。普通に考えて、逮捕モノだ。しかし、一体どういう仕組みか、出国・入国の許可が降りたのだ。
何か浮世離れした感覚のまま、台北の『桃園』という地へ降り立った。
目的すらわからない。
もちろん、何故台湾なのかも知らない。
湿度が高い。沖縄よりもさらにジメリとしている気がする。立ち尽くす私に、現地人らしい男が声をかけてきた。
「Lady boy」
意味はわからないが、確かにそう聞こえた。
とりあえず、首をかしげてみる。
「I・help・you」
彼は単語を区切り、はっきりと発音した。何か、助けてくれるらしい。
「テンキュー」
「You're welcome」
私達はニッコリと微笑みあった。
それから、わずか一日で色々なことがあった。
結果として、私は『Lady boy』になった。そう、彼が一言目に言った通りに。
これからしばらくは、日本産の目玉商品として店に立つ予定だ。
痛! 住手! 救命!
終わり