本当においしい沖縄のタピオカドリンク店ベスト3の紹介(ではない)
「タピオカァ! タピオカジュースゥ!」
憎たらしい口調でユウタが言った。ここ数日ずっとこうだ。
「うるせぇ!」私は屋台から出て、拳を振り上げた。「
もちろん本気ではない。
ユウタもそれを知ってか、
ユウタと私は何の関係もない。友人の子供でもないし、
一体どういう経緯でタピオカ扱いされるようになったのかは、
彼がそう言うようになったのは、十日近く前のことだ。
その日、ユウタは友人グループから離れ、一人で歩いていた。
「うるさい!」控えめに叫んでから、小さく付け足した。「……
ユウタがこうやって感情をむき出しにするのは初めて見たし、
その翌日も声を掛けた。返事はやっぱりタピオカで、
さらに翌日も、翌々日も、私たちの短いやり取りは続いた。
いつまで続くのだろう。そう考えたこともなかったが、
小雨が降る中、ユウタは傘も差さずにトボトボと歩いていた。
「どうしたぁ? 風邪ひくぞぉ」
声を掛けると、ユウタは力なくこちらを向いた。
「タピオカァ……」
ぎょっとする。ユウタは目を真っ赤に腫らしていた。目が合うと、
私は屋台を飛び出して、ユウタの背中をさすった。
どうやら数日前から友人と仲たがいしていて、とうとう今日、
「まぁ、男は喧嘩して仲良くなるもんさ」
「バカって言われたら、嫌だろ」
ユウタは眉を寄せた。
「どういうことだ?」
「友達にバカって言われて、むかついたんだ」
話を変えたつもりが、どうやら繋がっていたらしい。
「だから俺もおっちゃんにバカって言おうとしたけど、
「ユウタ……」
なんていいヤツなんだ。
「サービスだぞ。ほれ、一本食え」鼻をすすりながら、
「いい」
「遠慮すんなって」
「いいよ。いいって」
素直になれないこの少年も、すぐに大人になってしまうのだろう。
「焼き鳥、嫌いか?」
「まずいんだよ。ここの焼き鳥」
「タピオカ……」
私は呟いた。お前でタピオカを作ってやろうか、という意味だ。
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今回は、お友達からお題を頂いて作りました。「タピオカ」でした。
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