スウィーテスト多忙な日々

スウィーテスト多忙な日々

誰かの役に立つことは書かれていません……

ライフハックと友情とファンタジーとサスペンスを込めた日記がわずか653文字で書けた

 

やはり、便利で快適に暮らしたい。
便利な世の中だから、それを手助けする機械があって、そういった機械には大抵リモコンが付いている。

f:id:tthatener:20190331222336j:plain
便利だけど、邪魔だ。驚くほど身勝手で暴力的な意見かもしれないが……。
だから今、この記事はリモコンに隠れて書いている。


小箱にまとめようと思っても、なかなかどうして、一筋縄ではいかない。

気が付くと散乱しているのだ。これは良くない。

検討の結果、これを、

f:id:tthatener:20190331222646j:plain

 

こうして、

f:id:tthatener:20190331222713j:plain


こうして、

f:id:tthatener:20190331222744j:plain


こうすることにした。

f:id:tthatener:20190331222808j:plain

 

悪くない。数日間経っても、所定の位置は守られている。

しかし、一つ問題があった。

テレビリモコンだけ、磁石のS、N極が逆になっていた。

つまり、他の三人は気分次第で位置を入れ替えられるのに、彼一人だけ位置が決まっているのだ。

 

なんてひどいことをしてしまったんだろう。

私はテレビリモコンを手に取り、接着剤に爪を立てた。

しかし、彼は彼なりに職務を全うしていて、なかなか剥がれてくれない。

うんうん唸っている私の耳に、声が飛び込んで来た。

 

「ありがとう。でも、このままでいいよ」

すぐに気付く。テレビリモコンが、喋ったのだ。

「僕、右側が好きなんだ。そもそも」

私はキョロキョロと周りに目をやる。

「だから、このままでいいよ」

彼がそう言うと、何かの合図をするように、テレビの電源が入った。

 

ふぅ、と一息ついて、私は小さく笑う。工具箱からマイナスドライバーを取り出し、リモコンと磁石の間にこじ入れた。

お前の為じゃない。俺の為だ。

 

テレビリモコンは悲しみ、怒り、爆発した。

私は死んだ。死んだのは、その時が初めてだ。

 

 

 

宜しければワンクリックだけお願いします。

人気ブログランキング

人気ブログランキング - にほんブログ村