夜の温泉に全裸で入浴する、爆乳で性格もスタイルもいいサル
お茶の水太郎の日記
7がつ25にち もくようび
おじさんとマレーシァというところにきました。くあらるんプールというところにいて、ペトロナスツインタワーという大きなスカイツリーが二つくっついたたてものに上りました。高かったです。
どうしてマレーシァに来たかというと、ぼくが生まれたしまに帰るためです。
ぼくは気がついた時からずっとおきなわ県にいました。だけど本当はべつのところで生まれたそうです。それはマレーシァというところです。
本当はぼくはずっとおきなわにいたく思っています。だけどできません。どうしてかというと、ぼくが頭がいいからです。
ぼくはテングザルというしゅるいで、サルというしゅるいだと教えてもらいました。がっこうのほかのみんなよりはなが大きいです。先生よりも大きいし、おとうさんよりも大きいです。おとうさんは本当のおとうさんじゃありません。
ぼくはカリマンタンというところで生まれたので、そこにつれて行くそうです。
ひこうきの中で、テングザルのビデオを見ました。ぼくと同じで、はなが大きかったです。でも、何を言っているのかはわかりませんでした。
おじさんはぼくに、あしたからはジャングルでくらすんだよと言いました。
だけどぼくはそれはいやです。おじさんがねたので、ぼくはにげました。おじさんはもうおきないと思います。
マレーシァのよるはあついです。いいきもちです。みどりのにおいがして、ぼくはそこに行きました。はじめてきく声がたくさんきこえました。
ここはいいところです。こうえんよりもいいです。木にのぼってねました。いいにおいがしました。
という絵日記を見つけた。それはシンガポールにある、いかにもバックパッカーが泊まりそうな安宿の本棚に収まっていた。
奇しくもシンガポールでは、テングザルによる観光客や農作物への被害が問題視されはじめていた。これは誰かのいたずらだろうか。あるいはーー
というブログを書いたらしい。「らしい」というと他人事のようだけれど、読み返してみてもどうも意図が分からない。本当に私が書いたのだろうか。
意味不明加減から察するに、私が書いたというのは逃れようのない真実に思えるかもしれない。けれど、いつもは自分で理解しながら書いている。当然だ。
このブログは……なんだ。よくわからない。お茶の水太郎? 誰だ。
もしかすると、このブログは乗っ取られているのかもしれない。
お茶の水太郎とかいう天才テングザルかもしれないし、メガネをかけた気持ち悪い短髪の三十代男かもしれない。
いずれにせよ、これは証拠として残しておく。私の超インテリ金融工学ブログにおかしな記事が書かれたとしたら、そいつが犯人だ。
もし見つけたら、鍋底を金棒で叩いて追い出してほしい。意外と大きな衝撃があるかもしれないので、軍手の着用をお勧めしておく。手のひらに滑り止めがついていると尚良いと思う。
宜ワお。