スウィーテスト多忙な日々

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ファー

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今年で三十二歳になるので、いわゆる「おじさん」に両足を突っ込んでいる。
そんなおじさんの友達のおじさんが、久しぶりにフェイスブックに写真をアップしていた。どうやら数人で旅行に行ったようで、友人と三人の男が古い衣装を着たり観光地を背景にして撮影した写真だった。


その中に、したり顔というかしかめ面というか、その両方を合わせたような表情で、カメラに中指を立てて写っている男がいて、私は「どうしよう」と思ってしまった。
その男は四枚ある写真の内、三枚で中指を立てていて、どうやらそれがお得意のポーズらしかった。男に見覚えはなく、つまり私の友人ではない。そういう他人であっても、大人が中指を立てているのを見ると「嫌なものを見たなぁ」と思ってしまう。うんちを見る方がまだダメージは軽い。

 

どうしてそんなことをするんだろう。会社の記念写真でも同じポーズをとるんだろうか。あるいは、普段の鬱憤のようなものが自然とポーズに出るんだろうか。
違う意味に聞こえるが面倒なのでファックと呼ぶことにする。自分の友人がファックをやりだしたらどうしようか、と悩んでしまう。
例えば突然ラッパーにハマったりして、ファッカーになる可能性もまだゼロではない。

 

 

「恥ずかしいからやめなよ」
 私はついそう口走る。久しぶりに会った記念にカメラを向けると、まさとしがダブルファックで応じたからだ。こいつは影響されやすいところがあるから、最近ヤンキー漫画でも読んだのかもしれない。
「早く撮れよ」
 まさとしは自分が指摘されていると気付かないのか、ファックを崩さずに言った。
 私はカメラから片手を離し、まさとしに向かってファックした。目には目を、だ。


 すると、よくないことが起きた。まさとしと並んでカメラに収まる残りの二人も、おずおずとファックを始めたのだ。どうやら私がポーズの指定をしていると思い込んだらしい。
 最悪だ。ファック取りがファックになってしまった。
 撮られるファックに撮るファック。


 私達は通りがかった女子高生にそのファックっぷりを見られてしまい、「ファッカーズ」としてしばらくの間笑いものにされるのであった。

 

 

宜しければワン〇〇ックずつお願いします。

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