黒いイナズマが僕を責める

 

百人中何人がそうなのかはわからないけれども、私は陰毛が縮れているので、放電中のテスラコイルのような股間をしている。

毛色は黒だから、暗黒属性のスパークが木と巣を包んでいるような格好だ。
昔は木の幹の周りにしか生えていなかったのに、放電は徐々に勢力を伸ばしていて、こんな所を守ってどうするんだ、というところまで最近は来ている。木を上り、あるいは谷を下って。

もし、この真っ黒な捻くれ野郎どもがサラサラのストレートだったらどうだろう、と思うことがある。
昨日までもっさりしていた中学生女子がいきなりキンキンのストレートパーマをかけてきた時のように、とんでもない違和感に襲われるかもしれない。
でも、もしそうなったら、ロングだとかボブだとか、いろんな楽しみ方ができそうだ。

そう考えると、陰毛にはとんでもない流行の余地がある気がする。
編み込んでみたり、脱色したり、エクステをつけてみたり。
タトゥーもいい。
腕や胸にタトゥーを入れている人間とは仲良くなれないけれど、おちんちんに顔を彫っている人間とはきっと乾杯したくなると思う。
頑なに隠されていたみんなの恥ずかしがり屋な息子たちが、ようやく街を闊歩する時代が来るかもしれない。

こりゃあ、ファッションの歴史が変わるぞ。

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